糖尿病や生活習慣病対策として、ダイエットをする際糖質制限ダイエットを考える人が増えています。ですが、最近そのリスクも知られてくるようになりました。ダイエットと言えば健康に良いというイメージが強く、体重さえ減らせばいいと考えて極端な糖質制限ダイエットを行う人が増えています。今回はそんな糖質制限ダイエットに関する、論文を紹介し、そのリスクと正しい方法に関して紹介します。

短期的な体重減少で糖質制限ダイエットの効果があるが、悪玉コレステロールは増える

糖質制限ダイエットで体重減少効果は、低脂肪食と同じもしくは、それ以上の効果が一年という単位ではああります。しかし、血管内の中性脂肪やトリグリセリド、コレステロール数値レベルでダイエットの結果を見るとそうではないようです。

447人の人々に、低脂肪食と低炭水化物食を与え、6ヶ月後体重(MBI値)、血液のコレステロール、中性脂肪の数値を比較し、検討した。

糖質制限ダイエットを行った結果、低脂肪食に比べて悪玉コレステロールの数値が増加する結果が出ています。糖質によって、血中のトリグリセリドと善玉コレステロールの数値が増えます。ですが、ダイエットを行う場合は、悪玉コレステロールや総コレステロール値が高い人が下げるために行っているケースが多いのが実情です。

そのため、6ヶ月糖質制限ダイエットを行った場合、悪玉コレステロールの数値の悪化から、循環器疾患のリスクファクターが上がることになります。そのため、血管内の悪玉コレステロールや総コレステロール値が理由でダイエットをする際は、糖質を極度に抑えるよりも、脂質を控えてダイエットをしたほうが、血液の質がより良くなり、健康を維持できることを示唆します。

https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/409791

肥満体での糖質制限ダイエットは体重だけしか変化しない

次に、動脈硬化のある人を中心に、実際に糖質制限ダイエットと低脂肪食ダイエットの比較を行いました。

12週間ランダムで、ほぼ同人数の被験者を選びました。低炭水化物ダイエット(16人)を行う場合は、2週間20g未満の炭水化物、その後10週間は40gのみの摂取をし、空腹時において低脂肪食を食べるという生活を送ってもらった。対して、低脂肪食ダイエット(14人)は、摂取した脂肪分の30%を何らかの理由で燃焼させる(運動等)を行った。

2週間毎にモニタリングをし、血液成分も共に分析した数値の結果の比較を行った。低炭水化物食の場合は、9kg平均して痩せることができ、総コレステロールから善玉コレステロールを除いた、non-善玉コレステロール値の数値は改善した。低脂肪食は体重の減少率は4kgだった。しかし、悪玉コレステロールの数値は大幅に改善することができた。

体重を短期的に下げるという面では、糖質制限ダイエットは優秀であるもの、血管の狭窄の原因や血液の質を悪化させる悪玉コレステロールの数値の改善はないという結果です。血管内の環境を良くする上でも、過度な糖質制限ダイエットをやったとしても効果がないのです。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022347602402065

糖尿病の場合は低炭水化物食の方がメリットがある

糖質制限ダイエットのリスクは知られてきたところで、病気になっている場合の本当に良くないのか?その疑問に答えたアメリカ比較実験があります。その論文は、地中海式の食事で、片方を低炭水化物にし、もう片方は通常の地中海式の食事を食べてもらい、最後に、アメリカ糖尿病協会(ADA)推奨の食事を3群にわけて摂ってもらいました。空腹時血糖、HbA1c(糖化ヘモグロビン数値)、トリグリセリドの数値を計測、比較したものです。

対象となったのは、259人の過体重と判定された糖尿病患者で、12ヶ月の経過観察を行った。体重減少率は、低炭水化物地中海式の食事を取ったものが一番良く、他の群が7~8kgに対して10kgの体重減少となった。HbAlcに関しては、アメリカ糖尿病協会推奨の食事よりも、低炭水化物の食事の方が大幅な数値低下となりました。トリグリセリドの数値は地中海式の食事2群がかなり減らすことに成功しました。

糖尿病で苦しんでいるレベルの場合は、糖質制限ダイエットは効果的であり、単に糖質を抑えるよりも血液環境を良くする地中海式の食事で行うとおすすめです。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1463-1326.2009.01151.x

まとめ

糖質制限ダイエットは、短期間で大幅な体重減少を可能にするものの、健常者の場合や血管のコレステロール値を気にかけている人で長期的に行うと健康を損ねる危険性があります。

その理由として、糖質制限ダイエットを行うことで、循環器疾患や脳閉塞の原因になると言われている悪玉コレステロールの数値に変化がない、もしくは悪化するという研究結果が出ているためです。健常者や中性脂肪含めた数値が高い人が継続的に行うには向かないダイエットと言えます。

しかし、糖尿病になっている場合は別です。糖質制限ダイエットの食事は、糖尿病専用の食事よりも血糖値を下げる効果があります。地中海式の食事で取り入れることで、体重を下げるだけではなくて、糖尿病の因子に関わる数値を大幅に改善します。

ライター 辻 文音

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