風邪をひいたときに何気なく手に取る市販薬の中にも、ドーピングの禁止薬物になっている成分が含まれていることがあります。そんなとき、「知らなかった」では済まされません。アンチ・ドーピングのために注意すべき市販薬について、風邪薬を中心に確認していきましょう。

禁止薬物が含まれる鎮咳去痰薬

禁止薬物に指定されている咳止め、去痰薬には以下の成分が挙げられます。

  • エフェドリン
  • メチルエフェドリン
  • メトキシフェナミン
  • トリメトキノール

このうち、特にトリメトキノールは競技会中だけでなく常時禁止されている物質に該当します。普段から服用しないように気をつけましょう。また咳止めとしてメチルエフェドリンを含んでいる市販薬は数多くあるため、注意が必要です。

さらに「南天のど飴」(常盤薬品工業)には常時禁止物質である「ヒゲナミン」が含まれます。普段から口にするものにも、禁止物質が含まれている場合があるので注意しましょう。

<禁止薬物が含まれる鎮咳去痰薬(例)>

有効成分 商品名(例)
メチルエフェドリン パブロンSせき止め(大正製薬)
ベンザブロックせき止め錠(武田CH)
新コルゲンコーワ咳止め透明カプセル(興和)
プレコール持続性せき止めカプセル(第一三共ヘルスケア)
メトキシフェナミン アスクロン(大正製薬)
トリメトキノール 新トニン咳止め液(佐藤製薬)

総合感冒薬には禁止薬物が含まれているものも

風邪の諸症状に効く総合感冒薬の中にも、禁止薬物が含まれている場合があります。

総合感冒薬には注意が必要

総合感冒薬は、風邪の症状を抑えるために熱を下げる成分、咳を抑える成分、鼻風邪なら鼻炎の症状を抑える成分などがいっしょに配合されているものです。一度に多くの症状に効くためお得感がありますが、アンチ・ドーピングの観点から言えば、さまざまな成分が入っているため注意が必要です。

総合感冒薬の中には鼻炎を抑える「プソイドエフェドリン」が含まれている場合があります。アンチ・ドーピングに関して注意すべき市販の鼻炎薬については、『【鼻炎薬】アンチ・ドーピングのために注意すべき市販薬①』をご覧ください。

禁止薬物が含まれる市販の総合感冒薬

禁止薬物が含まれる市販の総合感冒薬の例を掲載します。総合感冒薬はさまざまな成分が含まれているため、禁止薬物の有無には注意しましょう。

<禁止薬物が含まれる総合感冒薬(例)>

有効成分 商品名(例)
エフェドリン 葛根湯エキス錠クラシエ(クラシエ)
メチルエフェドリン パブロンゴールドA(大正製薬)
バファリンかぜEX錠(ライオン)
新ルルA錠s / AゴールドDX(第一三共ヘルスケア)
ベンザブロックIP / S / L(武田CH)
プソイドエフェドリン パブロンメディカルN(大正製薬)

葛根湯は使用しない方が望ましい

葛根湯は風邪にひき始めに効果的な漢方ですが、競技会時の禁止薬物である「マオウ」が含まれます。マオウの主成分がエフェドリンであるため、禁止されているのです。

またこれは漢方薬全般に言えることですが、漢方薬は有効成分以外にも未知の成分が含まれていると考えられるため、検査時に初めて禁止薬物を含んでいることが発覚する可能性があります。よっぽどのことがない限り、漢方薬の服用は避けた方がよいでしょう。

<h3>似た製品名でも、商品によっては禁止薬物が含まれていることがある</h3>

総合感冒薬はさまざまな成分が入っているため、同じブランドの商品でも禁止薬物の有無が異なる場合があります。

例えば、総合感冒薬である「ストナアイビー」(佐藤製薬)は使用できますが、「ストナアイビージェル」には禁止薬物であるメチルエフェドリンが含まれます。「同じブランドの商品だから大丈夫」ではなく、製品ごとに必ず禁止薬物が配合されていないか確認することを忘れないでください。

解熱鎮痛薬は概ね使用可

熱を下げ、痛みや炎症を抑える働きがある解熱鎮痛薬に関しては、「ロキソニンS」や「バファリンA」など解熱鎮痛成分のみを配合した医薬品であれば使用可能です。ただし、総合感冒薬の場合は解熱鎮痛薬とセットで禁止薬物に該当する鎮咳去痰薬や鼻炎薬が配合されていることがあるので、注意しましょう。

例えば、「バファリンA」は解熱鎮痛薬のみなので使用できますが、総合感冒薬である「バファリンかぜEX錠」は、禁止薬物であるメチルエフェドリンが含まれています。

使用できる市販の風邪薬

使用可能な市販の風邪薬の一部を紹介します。不明な点はアンチ・ドーピングに詳しいスポーツドクター、またはスポーツファーマシストにご確認ください。

<使用できる市販の風邪薬(例)>

分類 商品名(例) 販売元
解熱鎮痛薬 バファリンA ライオン
ロキソニンS / Sプラス 第一三共ヘルスケア
イブA錠 エスエス製薬
総合感冒薬 パブロンSゴールドW 大正製薬
ストナアイビー 佐藤製薬
新エスタック「W」 エスエス製薬
鎮咳去痰薬 新コンタックせき止めダブル持続性 グラクソ・スミスクライン
ストナ去たんカプセル 佐藤製薬

市販の風邪薬には注意しよう

薬局やドラッグストアには、手軽に購入できる風邪薬がたくさんあります。病院が閉まっているときや病院に行く時間がないときには便利ですが、アスリートの方は風邪薬に含まれる成分をしっかり把握しておかないと、うっかりドーピングになってしまう可能性もあります。特に総合感冒薬は、さまざまな成分が入っているため、禁止薬物が含まれていないか服用前に必ず確認しましょう。

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