カフェインを摂取するとアスリートの耐久力や筋持久力を向上させる効果があることは現在ほぼ定説になっています。以前、下の記事でもその説を後押しするいくつかの論文を紹介しました。

 

前記事:カフェインとランニングの関係について

 

一般的には、カフェインを摂取するということは、すなわちコーヒーを飲むことです。

ところが、いくら効果があるとわかっていても、レース前にがぶがぶコーヒーを飲むことは実際問題としては考えにくいです。コーヒーカップ何杯分かを体に入れてしまえば、体は当然重くなりますし、レース中に利尿作用も起こり得るからです。

 

エネルギージェル

 

ならばレース中に高濃度のカフェインを含んだエネルギージェルを摂取すれば、上の問題は解決します。MGC出場選手の多くもレース中の補給に使用した高濃度のエネルギー補給粉末『MAURTEN DRINK MIX』のジェル版である『MAURTEN GEL 100 CAF 100』は1本で25gの炭水化物を摂取できると同時にコーヒー1杯(約170mg)と同等のカフェインが含まれているそうです。市民ランナーはエリートランナーのように自分専用の補給ドリンクを用意することは出来ませんので、このエネルギージェルは携帯するのに便利です。

 

カフェイン入りガム

 

ランナー向けのエネルギージェルが一般的になったのは比較的最近のことですが、それより以前からカフェイン入りのチューイングガムを噛むことで耐久系アスリートにどのような影響があるかという研究がされてきました。

 

Caffeinated chewing gum increases repeated sprint performance and augments increases in testosterone in competitive cyclists.

Paton C. et al., 2010

https://link.springer.com/article/10.1007/s00421-010-1620-6

 

9人の競技サイクリストを対象として行われたこの実験では、30秒の全力スプリントを5セット繰り返すワークアウトの最中にカフェイン入り(240 mg)のガムを摂取するグループとプラセボ(偽薬)のグループを比較しました。すると、前者のグループはパフォーマンスが上がり、疲れも感じにくくなったと報告されています。前者のグループはテストステロンのレベルが後者に比べて14%以上上がっていたそうで、そのことがパフォーマンス向上と疲労軽減に繋がったと論文著者らは結論づけています。

 

Effects of Caffeine Chewing Gum on Exercise Tolerance and Neuromuscular Responses in Well-Trained Runners.

Dittrich N. et al., 2019

https://journals.lww.com/nsca-jscr/Abstract/publishahead/Effects_of_Caffeine_Chewing_Gum_on_Exercise.94936.aspx

 

こちらは新しく、しかも競技ランナーを対象に行われた研究です。12人のランナーにカフェイン入り(300 mg)のガムを摂取した後にトレッドミルで時速15キロ前後で走ってもらい、疲労困憊になるまでの時間と筋肉疲労度を比較しました。すると、同量のカフェインをガムで摂取することで、持久力が18%程度向上することがわかりました。

 

商品例:

 

日本語のアマゾンで「カフェイン入りガム」と検索してもアスリート向けの商品はヒットしませんが(2019年10月現在)、英語のアマゾンで「caffeinated chewing gum」と検索すると、そのままズバリの『Run Gum』という商品が見つかります。

https://www.amazon.com/dp/B07663KNQF

 

他にも軍隊用エネルギーガムという名でカフェインが含まれたガムも類似商品として出てきます。どうやら米国ではずっと以前からガムを噛みながら長時間の運動をするという方法論があったようです。

https://www.amazon.com/dp/B002U2IMBA

 

ガムを噛むことで集中力が増すという人もいます。筆者自身はガムを噛むという行為そのものがあまり好きではないので、これらの商品を利用することはありませんが、興味があってガムに抵抗がない人は試してみては如何でしょうか。

 

角谷剛(かくたに・ごう)

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