運動を行った後の疲労回復は、運動の継続しやすさをあげるだけではなく、楽しさを増やす上でも重要です。健康維持のために運動を行うなら、トレーニングをした後の疲労を消し、日常生活の質を落とさないようにすることは大きなメリットになります。では、その入浴のメリット得ることができる、水温や時間、性別の差はあるのでしょうか?

今回はそんな、運動後の入浴と疲労回復に関する記論文を紹介し、こうした疑問解消を手助けになれば幸いです。

冷浴を使用した乳酸値の変化や疲労回復の性差への影響

入浴をすることで、疲労解消になることは性別関係ありません。性差はあるのかという検証に関する論文が以下に紹介されています。

 

運動による乳酸が溜まっている状態で、冷浴と普通の入浴をした場合の効果の違いや男女による回復の差を検証した論文です。男女16人ずつバレーボールのアスリート男女を被験者とし、8人ずつに分け400mを走ってもらい体に負荷をかけます。その後、運動を行ったあと採血を行い、血液中の乳酸値を計測しました。

 

その後、10~15℃の冷浴をした場合の血液中の乳酸値を計測しました。男性の場合、女性の場合に関係なく、乳酸値は減少し回復速度が早ことがわかりました。男性と女性の回復速度を比較すると、男性のほうが女性よりも冷浴で乳酸値の減少が早いことが判明したのです。

 

運動をした後、性別関係なく冷浴を行うことで疲労回復速度は大幅に早くすることができるのです。運動後、単に入浴ではなく、水温を変え冷浴を取り入れることで、疲労解消が早くなります。

 

運動を習慣にしている人、疲労を特に次の日に持ち込ませたくない場合は、冷浴を取り入れることで次の日に疲労を持ち込ませるリスクを大幅に減らすことができるのです。

 

https://oapub.org/edu/index.php/ejep/article/view/917

 

入浴時の温度による筋肉代謝の変化

 

次は、入浴に使用する温度によって、筋肉の代謝や持久力の差に関して調べた論文になります。実験条件は10人の健康体の男性に、足首だけ浸かる足浴の状態で椅子に座った状態で行われました。

 

それぞれの浴槽の水温は、12℃、26℃、44℃のものを用意し、45分脚を浸しました。最初に浸した後の筋肉の温度を測定し平均が、22.5℃、32.6℃、38.6℃でした。45分浸した後の脚のくるぶしの筋肉の歪みの変化とその後の運動負荷への耐久性の相関を調べました。

 

その結果、冷浴で浸した脚は、運動の耐久性が長く、逆に44℃で浸した場合は持久力が短くなる結果でした。

 

このことから冷浴は、回復した部位の筋肉の耐久性を上げる結果を持っているのです。

 

https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1113/jphysiol.1972.sp009710

 

武術を行った後の疲労回復、身体パフォーマンスの変化

 

運動後冷浴を行った場合、どれくらいの回復が見込めるのか、何時間後に完全回復するのかも重要なポイントです。それに関する論文を紹介します。

この論文の実験条件は、ランニングよりも負荷が強い武術を行った後、冷浴による疲労の回復を時系列で示した論文になります。

 

実験条件は、総合格闘技(MMA)を行った後、10℃以上の冷水に15分間首まで浸かる状態で入浴しました。この時系列で、MMAを行った直後、冷浴直後、冷浴24時間後の血液を採取し、コルチゾール、クレアチンキナーゼ、テストステロン濃度を測定しました。

 

その結果、冷浴の後テストステロン値が上昇し、コルチゾールが低下しました。これは、疲労が解消され、冷浴を行う前よりもより健康状態が良い形に変化しました。また、睡眠の質、ストレス、知覚疲労の解消にも貢献します。

 

冷浴を使用した後は、パフォーマンスの質はもちろん、健康状態に関しても大幅に回復することが判明しました。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6221982/

 

まとめ

普段のランニングや運動後、入浴することで疲労解消効果はありますが、より早く良い状態に回復するには、冷浴を取り入れるのがおすすめです。

 

具体的には、水温が10℃~20℃の水温で15分以上入浴することが、一番回復に早い方法になります。脚だけの入浴の場合は脚の部位の回復は望めるものの、体全体の疲労回復には向かないので、体全てのだるさをとるのは、首まで浸かることが大切です。

 

冷浴のみはきついと言う方は、冷浴後、温浴に切り替えるのもおすすめです。温浴は血流を良くし、筋肉のほぐす作用があります。冷浴の場合は、体の疲労解消に関わる部位の機能を高めて、疲れを早く取り除くのと同時に疲れにくい体にするのが特徴です。

 

また、この効果は、性別に関係なく効果があり、男性のほうが冷浴のメリットを得やすい傾向があります。これは、男性の筋肉が多く、代謝量が多いことによる差と考えられます。女性の場合は、脂肪量が多いため、長時間の冷浴によって冷え性になるリスクもあります。そのため、時間を短くすることを考えがちですが、体が慣れるまでは、冷浴の温度を少し高めの20℃ぐらいから、慣れると取り入れやすくなります。

 

シャワーよりも入浴のほうがしっかり体の筋肉温度を低下させることができるので、回復のメリットを得ることできます。

 

ライター 辻文音

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