ランナーにはお馴染みのインターバル走。1940~50年代に活躍した人間機関車こと故エミール・ザトペック選手が編み出したと言われ、スピードとスタミナを高めるうえで現在でも欠かせないトレーニング方法です。

速いペースと遅いペースを交互に繰り返すからインターバルなのですが、その運動時間や回復の配分をどうするともっとも効果が高いかとなると、諸説はまちまちです。永遠の話題と言ってもいいかもしれません。

その問いに明確な結論を述べた論文が最近スカンジナビアのスポーツ医学及び科学の学術誌に発表されました。

「ショート・インターバルの方がロング・インターバルよりトレーニング効果が高い」― この論文は結論でそう言い切っています。

 

Superior performance improvements in elite cyclists following short‐interval vs effort‐matched long‐interval training.

Ronnestad B, et. al 2020

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/sms.13627

研究内容

18人の競技サイクリストを2グループに分け、室内自転車を使って、内容の異なるインターバル・トレーニングを週3回、3週間に渡って行ってもらいました。

 

グループLI: 5分間の高強度トレーニングを2分半の回復を挟んで4ラウンド。

グループSI: 30秒間の高強度トレーニングと15秒の回復を挟んで13ラウンド。これを1セットとし、セット間に3分間の休息を取り、3セット。

 

高強度トレーニングの合計所要時間はほぼ同じになるように設定されました(グループLIは20分、グループSIは19分30秒)。サイクリストたちは各インターバルで疲労困憊になるまで全力を出し切るようにと指示されました。

結果

3週間後の結果は明らかにグループSI(ショート・インターバル)がグループLI(ロング・インターバル)に比べて優位に立ちました。20分間の平均パワーテストでグループSIは4.7%向上したのに対し、グループLIには有意の差が生じませんでした。

乳酸閾値での最大有酸素パワーとパワー出力においても、グループSIには大きな向上があったのに対し、グループLIのパフォーマンスはむしろ減少してしまいました。

これをもって、論文著者らは競技サイクリストにはショート・インターバルの方がロング・インターバルよりトレーニング効果が高いと結論づけています。そしてその原因を最大出力で行う運動を数多く繰り返すことでサイクリストの乳酸耐性能力がより高まることだと推測しています。

筆者の考察

言うまでもありませんが、この論文も数ある研究の1つに過ぎません。従って、これをもってインターバル・トレーニングの配分を決定するうえでの最終結論とするのは時期尚早なのですが、説得力があるエビデンスが含まれていると筆者は思います。

研究の対象となったのがサイクリストで、ランナーではなかったのは若干残念ではありますが、他の影響要因をできるだけ排除するためには、こうした実験には室内自転車が適しているのでしょう。

そのため、この実験で使われたインターバルの時間配分をそのままランニングで使えるとは限りませんが、基本的な方向性としては参考になるのではないでしょうか。

角谷剛(かくたに・ごう)

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