上半身、とくにもっとも目立つ胸の筋肉を鍛えるのにもっとも代表的な筋トレ種目と言えばベンチプレスです。ベンチに仰向けになってバーベルを上下させる、このベンチプレスの動作は筋トレをやらない人でも容易にイメージできるのではないでしょうか。

ベンチプレスと同じような効果を狙ったトレーニングマシンがチェストプレスです。こちらはイスに腰かけて、ハンドルを水平方向に動かします。

ベンチプレスもチェストプレスも同じように胸を鍛えることが目的ですが、全く同じというわけではありません。その違いを簡単に説明します。

ベンチプレスの長所は?

フリーウエイトの種目すべてに言えることですが、動作の可動域を最大化することができます。ベンチプレスはバーベルを胸につけるまで下ろし、上に押し上げる時には最大限まで伸ばし切ることができます。そうして動作の可動域を広くなればなるほど、より多くの筋肉を動員することに繋がります。また、バーベルを傾けないようにバランスを取ることで、小さな筋肉も同時に鍛えることができます。

またベンチプレスは世界中で行われている有名な種目ですので、数多くの調査データが存在します。下のウェブサイトのように、自分の性別、年齢、体重とベンチプレスの挙上重量や回数を入力するだけで、客観的に自分のレベルを知ることができます。

https://strengthlevel.com/

そしてベンチプレスは重量プレートを追加することで、ほぼ永久に負荷を増やし続けることができます。

チェストプレスの長所は?

まずチェストプレスは安全です。バーが胸に落下してくる心配がありませんので、心理的なブレーキをかけることなく、安心して限界に近い重い重量や回数でも挑むことができます。また、他人やコーチに補助をしてもらう必要もありません。

チェストプレスは重量負荷の調整も簡単です。ベンチプレスのようにプレートを入れ替える必要がなく、ピンを抜き差しするだけですので、トレーニングにかかる時間も大幅に短縮できます。

さらにチェストプレスは片腕だけのトレーニングをすることも可能です。何らかの理由により、左右の負荷に変化をつけたいときはとても便利です。

ベンチプレスの短所は?

上に挙げたチェストプレスの長所を逆にすると、そのままベンチプレスの短所になります。バーを胸に落とすと怪我をするので、重い重量を扱うときは補助を頼む必要があります。恐怖心からブレーキがかかり、結果として十分な負荷をかけられないこともあります。

ベンチプレスが上達すればするほど、入れ替える重量プレートの数が増えていきますので、トレーニングにかかる時間も長くなります。

もう1つ、ベンチプレスは動作が自由な分だけ、胸以外の筋肉にも負担がかかります。特に肩を故障している人、あるいは故障歴がある人にとっては、ベンチプレスはかなり危険な種目になります。

チェストプレスの短所は?

チェストプレスは決められた軌道でしか動作しないため、常に同じ部分の筋肉に、それも同方向からしか刺激を与えることができません。

体が大きい人、または筋トレの上級者は、マシンの種類によっては重量ピンが一番下まで行ってしまうかもしれません。そうなると、それ以上負荷を増やすことができません。

チェストプレスは他人と比較して、客観的なデータを取得することもできません。なぜなら、マシンの種類によっては動作を助けるものがありますし、ケーブルやレールの摩耗具合などによって数値が変わる可能性もあるからです。

まとめ

ベンチプレスは胸の筋力を鍛えるには最適の筋トレ種目なのですが、誰にでもできるというものではありませんし、またやらない方がよい場合もあります。例えば、肩に故障歴がある人にとって、ベンチプレスはなるべくなら避けるべき種目になります。そのような場合は代わりにチェストプレスで効率的に胸の筋肉を鍛えることができます。

角谷剛(かくたに ごう)

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