数多くある筋トレの種目のうち、ビッグ3と呼ばれるのが「スクワット」、「デッドリフト」、そして「ベンチプレス」です。それぞれマシンやダンベルを用いるバリエーションもありますが、ここではバーベルに重量プレートをつけて行うものを指します。

  • スクワット: バーベルを首の後ろに担ぎ、お尻を後方に突き出して膝を曲げ、太腿が地面と平行かそれより低い位置までしゃがみ、そして立ち上がります。おもに臀部、大腿四頭筋、ふくらはぎなどを鍛えることができます。

 

  • デッドリフト:腰を支点にして蝶番のような動きで、床に置いたバーベルを持ち挙げます。おもに背中、臀部、ハムストリングスなどを鍛えることができます。

 

  • ベンチプレス:ベンチに仰向けになり、バーベルを胸まで下ろし、そして肘を伸ばし切るところまで押し上げます。主に胸、肩、腕などを鍛えることができます。

 

ご覧の通り、この3つの種目を行うだけで、身体の主要な筋肉を満遍なく鍛えることができます。それこそが「ビッグ3」と呼ばれる所以です。さらにはこの3つには筋トレを考えるうえで重要な共通点が存在します。

キーワード1:コンパウンド種目

ビッグ3は複数の関節を動かす「コンパウンド種目」に分類されます。例えばスクワットは股関節と膝関節を屈伸させます。これに対して、単関節動作の1つであるレッグエクステンションは大腿四頭筋を集中的に鍛えることができますが、屈伸させる関節は膝だけです。同じことがベンチプレスとアームカールにも言えます。

コンパウンド種目の最大の利点はより多くの筋肉を同時に鍛えられることです。逆に言えば、ある特定の筋肉をピンポイントで「効けせる」ことには向いていません。

キーワード2:日常的動作

ビッグ3のもう1つの特徴は日常的に行う動作と似た動きをすることです。スクワットは椅子から立ち上がる動きと似ていますし、デッドリフトは床に置かれた重い物を持ち挙げるときの動きに似ています。ベンチプレスはあまり日常的によく使う動作とは言えませんが、あえて言えば寝転んだ状態で赤ちゃんを高い高いしてあやす動きに似ているでしょうか。

これもトレーニングマシンと比較するとよく分かります。前述したレッグエクステンションのように、椅子に腰かけたまま足に何かを乗せて上下させる動きは日常生活にはあまりありません。

日常的動作に近いということは人間の自然な身体の動きに近いということですし、また他のスポーツにも応用しやすい動作でもあります。そのため、ビッグ3は機能的(ファンクショナル)動作と呼ばれることもあります。

キーワード3:バランス

デッドリフトとスクワットはどちらもバーベルを持ち挙げながら、前後左右に傾かないよう、体軸をまっすぐに保つ必要があります。そうしてバランスを保ち、体を安定させるために動員される小さな筋肉群のことをStabilizerと呼びます。

ベンチプレスはベンチに寝転がっていますが、バーバルが左右に傾かないようにバランスを保つために、またバーベルが胸に落下させないようにスピードや可動域を調整するために、やはりStabilizerが必要になります。

これもトレーニングマシンと比較すると分かりやすいでしょう。レッグプレスは背もたれに体を固定しているので、バランスを失う心配はありません。大腿四頭筋などの脚力を高めることはできでも、Stabilizerを鍛えることはできません。

最近、プランクなど様々なポーズで体を静止させる体幹トレーニングが流行していますが、これらの目的もバランスを保ちながらStabilizerを鍛えることにあります。つまりビッグ3は目的とする主要な筋肉だけではなく、有効な体幹トレーニングでもあるのです。そのことはビッグ3に限らず、フリーウエイトで行う筋トレ種目の特長でもあります。

 

角谷剛(かくたに ごう)

コメント一覧

コメントはありません

コメントする

コメントを投稿するにはアカウントを作成し、ログインしている必要があります。