これは筋トレ101シリーズですので、栄養を通しテーマにした前3回とも、栄養素が主に筋肉にどう働くかという視点に沿って、食品やサプリメントの紹介をしてきました。

つまり、筋肥大のためのたんぱく質(プロテイン)、瞬発力アップのためのクレアチン、筋肉疲労からの回復を助けるためのアミノ酸系サプリメントでした。

今回紹介するフィッシュオイルは、それらとは多少異なるイメージがあると思います。摂取しても筋肉が大きくなったり強くなったりするわけではなく、筋トレ関連よりもどちらかと言えば一般的な健康に関連して語られることが多いサプリメントです。

試しに「フィッシュオイル」でネット画像を検索してみてください。数えきれないほどのサプリメントがヒットすると思いますが、そのどこにも筋肉ムキムキの写真は見つからないでしょう。その代わりに「オメガ3」、「EPA」、「DHA」といった単語がどの製品のラベルにも書いてあることに注目してください。

なぜクロスフィットがフィッシュオイル「だけ」を薦めるのか

ところで、ハードなワークアウトをすることで有名なクロスフィットはアスリートたちに唯一推奨するサプリメントとして、このフィッシュオイルを挙げています(*1)。

クロスフィットはその発足以来、自然食品主義を唱えてきて、サプリメントは基本的に不要なものだとしています。たんぱく質も各種ビタミンもミネラルもすべて自然食品から摂取するべきだという考えです。

主要栄養素と微量栄養素を摂取するための栄養源として、その成分、豊かさ、濃度の観点から、加工されていない自然食品が最も優れています

と公式トレーニングガイドでも述べています。

そのクロスフィットが自然食品ではなくフィッシュオイルだけを推奨するのは、先ほど述べた「オメガ3」がこのサプリメントによってしか効率よく摂取することができないからです。

オメガ3とオメガ6のバランス是正

オメガ3とは脂質の種類です。EPAもDHAもそれに分類される脂肪酸です。脂質が人間のカラダと健康にとっていかに重要であるかについては、ここでは長くなるので述べません。

ここでの重要なポイントは、体内では生成できずに食物から摂取する必要がある必須脂肪酸のうち、「オメガ3」と「オメガ6」があるということ、その2つのバランスは1114が理想であるにもかかわらず、現代の食生活を送っているとそのバランスが崩れて、オメガ6の比重が極端に大きくなってしまう(18超)、ということです。

「オメガ3」は主に魚、肉、卵などから摂れ、「オメガ6」は主に植物油から摂れます。ならば自然食品を食べていれば良さそうなものなのですが、養殖魚や穀物をエサとして育った肉や卵は野生のものよりもオメガ6の割合が大きくなってしまっているのです。

いくらスーパーマーケットで加工食品を避け、自然食品を選んでも、その自然食品そのもののバランスが崩れているのでは、サプリメントに頼るしかありません。

そこで、オメガ3を豊富に含むフィッシュオイルを摂取することで、オメガ6とのバランスを是正することができるというわけです。

健康が筋肉に優先するわけ

体の調子を整えることや、健康であることは、筋トレの効果を上げるためには欠かすことはできません。筋肉を大きくすることに比べると遠回りに感じるかもしれませんが、誰もが病気のときにハードなトレーニングをするわけにはいかないことを考えると、その理由は明確に理解できると思います。

筋トレとは筋繊維を一旦破壊し、超回復によって少しずつ筋力を向上させるサイクルを繰り返す作業であることはここで何回も述べてきました。そこで重要になるのは継続性と持続性です。そしてその流れを阻害してしまう最大の外的要因は健康上の問題であることは言うまでもないでしょう。

 

参照文献:

*1. クロスフィット レベル1トレーニングガイド(日本語版)

http://library.crossfit.com/free/pdf/CFJ_Japanese_L1.pdf

 

 

角谷剛(かくたに ごう)

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